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コンタクトレンズ ずさんな手入れ 後絶たぬ感染症(産経新聞)

 国民の10人に1人がコンタクトレンズを装用しているといわれる中、ずさんな手入れなどによって感染症を引き起こすトラブルが後を絶たない。感染症の対処法には早期診断、早期治療が大切だ。しかし、眼科医の処方なしにネットや通販でも入手できるため、利用者の意識は低下。メーカー各社はレンズケア商品の一部に「こすり洗い」を記すマークを付けるなど眼障害の予防に努めている。(日出間和貴)

 ≪微生物の温床≫

 最近、眼科医を中心に指摘されている「アカントアメーバ角膜感染症」。充血や視力障害、さらには失明といった深刻な事態を引き起こす感染症だ。アカントアメーバは、汚れた淡水や土中、室内のほこりにも存在する微生物。レンズに付着して目に入り、角膜のキズに侵入して感染する。

 業界関係者は「微生物の繁殖にとって湿気の多い環境は好都合。しかし、多くの人がコンタクトレンズの消毒を洗面所周りで行っているため、どうしても衛生状態がおろそかになりやすい。レンズ用品を置いてある場所が微生物の温床になりかねない」と指摘する。

 コンタクトレンズの使用動向も影響している。コスト意識から、1日使い捨てから2週間、1カ月タイプにシフトする傾向が強まっていることもあり、レンズケアに対して細心の注意が必要だ。また、アカントアメーバの危険性が高い水道水で洗浄を代用する者が、若年層を中心に少なくないという。

 日本コンタクトレンズ学会が感染症で入院治療が必要となった症例を対象にした全国調査(平成19年4月から1年間。重症患者数228例)でも、ずさんな取り扱い例が明らかになっている。重症合併症は男性に目立ち(126例)、重症例のレンズケアでは(1)レンズのこすり洗いをしていない(77%)(2)レンズケースの定期交換をしていない(73%)(3)レンズの消毒を毎日していない(51%)など。レンズの使用期間や定期検査でも、正しく守られていない例が多かった。

 ≪ケア用品の弊害≫

 昨年12月、国民生活センターが出した「ソフトコンタクトレンズ用消毒剤のアカントアメーバに対する消毒性能」と題した報告書にも、ソフトコンタクトレンズを使用する約1割にアカントアメーバ汚染の痕跡があることが指摘された。

 コンタクトレンズによる重大な眼障害の実態が明らかにされる中、日本コンタクトレンズ協会では(1)石けんで手洗いをする(2)レンズを洗浄液でこすり洗いをする(3)レンズケースを定期的に交換する-といった安全管理を呼びかけるなど、ユーザーに対する啓発を強化している。

 一方で、レンズの洗浄から消毒までを1本で済ませるレンズケア用品が浸透し、簡便性が手抜きを招いているという声もある。ホームページで「アイアカデミー」を運営する眼科医の糸井素純(もとずみ)さんは「眼科専門医の処方を受けないことがトラブルの原因」と警鐘を鳴らす。

 専門医の処方を受けない人は、その後の定期検査も怠りがち。小中学生のユーザーに対しては親が正しいケア方法を指導することも大切なようだ。

                   ◇

 ■高度管理医療機器に該当

 コンタクトレンズは心臓ペースメーカーなどと同様に、生命や健康に重大な影響を与える恐れのある「高度管理医療機器」に該当する。しかし、ユーザーにはその認識は乏しく、低年齢化が進んでいる。法的な年齢制限もないため中高生だけでなく、最近では小学高学年での装用が目立っている。医薬品医療機器総合機構ではホームページ上でコンタクトレンズの適正使用に関する情報を提供するほか、医療機器相談(平日午前9時から午後5時)を受け付けている。

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